王子様は寮長様


「蒼斗ーーー!!」



大声と共にバタンと扉が開いた。


って、ええっ!?



「蒼斗、良かったな…って、うわぁ!!」

「…猛っ。お前なぁ…」



相馬先輩は低い声で、部屋に入って来た猛先輩を睨みつける。


猛先輩ーー!


あぁ、でもまだ服、着てて良かった…。

あとちょっと遅かったら猛先輩に見られてたかも


「あ、いや、…もしかしてすごくいいとこだった…?」

「…猛、殺す…」



学院の王子様の口から殺す発言出ちゃったよ。


取り巻きの子達が聞いたら卒倒しちゃうね。

相馬先輩の静かな怒りに猛先輩は本気でビビっている。



「ちょっ…あの、本当、ごめんなさい。悪気はなくて。あの、まさかそんな展開になってるとは…あの、その…だから……ごめんなさーい!!!!」



そう叫んで猛先輩は部屋を飛び出していった。



猛先輩…、前も突然部屋に入って来たことがあったよね。

ノックをする習慣はないのか。


あとで、相馬先輩にめちゃくちゃ怒られそう。



もちろん、私達もさすがにこの先を続けにくくなり、というか、私が急に恥ずかしくなっちゃったんだけど。
(相馬先輩は悲しそうにため息をついていたけどね)



おあずけとなりました。


ゴメンね、先輩。










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