王子様は寮長様


「猛。しばらく俺の部屋に入るの禁止な。」

「ハハッ…すみません」



猛先輩は渇いた笑い声で謝った。



「で?何の用?」

「あぁ、クリスマスの事で…」



と、チラリと私を見る。

あぁ、仕事の話かな。

邪魔しちゃいけないね。



「相馬先輩、私、部屋に戻りますね。」

「ん?あぁ、悪いな。」

「いいえ。じゃぁまた。猛先輩も、またね。」



先輩達の笑顔に見送られながら、部屋を後にした


あ~あ、でも本当、猛先輩ったらタイミングが悪いんだから。


わかってやってるのかと思っちゃうくらい、いつもいい雰囲気の時に来るんだよなぁ。



…私にとって最大のライバルは猛先輩なのかも。










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