王子様は寮長様
部屋に戻るとそこには優雅にお茶を飲む奈緒先輩の姿があった。
な、何してるのさ。人の部屋で。
あまりにも自然にいるため、驚きより、呆れてしまう。
「奈緒先輩。何してるんですか?」
「あ、お帰り~。」
ヒラヒラと手を振る先輩の隣に座ると丁寧にお茶を入れてくれた。
…ここ私の部屋だよな?
「待ってたよ~。椎菜ちゃんったらなかなか帰ってこないんだもん。」
「で、お茶飲んでいたというわけですか。で?何か用ですか?」
奈緒先輩はムフッと笑い、ズボンのポケットから何か取り出した。
「なんですか?これ」
「クリスマスに、とある企業のパーティーがあるの。私宛てなんだけど、良かったら椎菜ちゃんも行かない?」
「パーティーですか?」
「うん。一人で行ってもつまらないし。それに、猛から聞いたよ?蒼斗、クリスマスに仕事なんでしょう?」