王子様は寮長様


相馬先輩に連れていかれるまま、壇上に上がり、スポットライトをあびる

な、何これ!?


状況が読めずただ唖然とするばかり。

先輩は私に優しく微笑みかけた。


そしてマイクの前に立つ


『私、相馬蒼斗はこの度正式にこの九条椎菜さんと婚約させていただくこととなりました。』



え…?相馬先輩…?


今、なんて…?



『若輩者ではありますが、皆様のご期待に添えるよう、日々精進して参ります。何卒、宜しくお願い致します。』



会場からはワッと歓声と拍手が起こる。


先輩に連れられるまま、お偉いさん方に挨拶をしてまわる。


私はただ状況を飲み込めず、先輩にくっついているだけだった。



「じゃぁ、行こう。」



先輩に連れられて私達は会場を抜け出した。


そのままエレベーターに乗り、ホテル内の一室へ案内された。



< 205 / 217 >

この作品をシェア

pagetop