王子様は寮長様




「今日は紅茶がいいな」

「わかりました」



今日も相馬先輩に連行、もとい、一緒に帰ろうと言われ、昨日のようにお茶を入れている。


私はキッチンの棚から紅茶の葉をだした。

あ、アールグレイだ。

私これ大好きなんだよね~。

ん~、いいにおい~。


香りを楽しんでいると相馬先輩が覗き込んだ。



「好きなの?」

「はい!」

「俺も好き。」

「えっ…」



い、いや、私に好きって言ったわけじゃないからっ!

ドキドキするな私!



「どうしたの?」

「い、いえっ。なんでもありませんっ。」

「そうかぁ?」



先輩がニヤニヤしながらかがんで目線を合わせてくる。



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