王子様は寮長様
相馬先輩はツカツカと喧嘩している二人に近寄る
「あ、相馬。こいつなんとかしてくれよ。」
三年の先輩がイラついた口調で言う。
「こいつだと!?誰に言ってんだよ!ぶつかってきたのはあんただろ!」
「三年に向かってあんただと!?何様だこらぁっ」
「中林様だっつんだよ」
また怒鳴り合いが始まった。胸倉まで掴みあっている。
さすがに手は出し合ってないようだが。
相馬先輩はうるさいとでも言うように耳を塞いでいる。
「早くなんとかしろよ、蒼斗。マジ殴り合いになりそうだぞ。」
猛先輩が隣から相馬先輩に小声で叫んでいる。
相馬先輩はポケットに手を入れて冷ややかに見ているだけだった。
中林はそんな相馬先輩にも絡んできた。