王子様は寮長様


「相馬寮長~?そんなとこに突っ立ってるだけならどいてくれませんかねぇ?それともイイトコの坊ちゃん過ぎて止める勇気もない、とかぁ?」



明らかに挑発してくる口調だ。


相馬先輩はそんな中林を冷ややかに見つめる。



「いい加減にしろ中林。やり過ぎだ。」

「こいつがぶつかってきたんだよっ!」

「執拗に絡んだのはお前だろ?退寮になりたくないならこれくらいにしとけ。」



冷たく言う相馬先輩に中林はいやらしく笑った。



「退寮?俺が?そんなこと言う前に自分の寮長生命を心配しろよ。のんびり王子様気取ってると、その席、俺が奪っちゃうよ?」

「てめぇに相馬の席は奪えねぇよっ!」

「んだとー!」



二人はまた胸倉をつかみ合った。


ハラハラしながら見つめていると、相馬先輩はハァと大きくため息をついた。


そして、相馬先輩は中林の襟をガッと掴んだ。



「うわっ!なにすんだ」



突然、後ろから掴まれ、中林は手足をバタつかせる。

相馬先輩はお構いなしにそのまま中林を引きずり、食堂の大きな窓をガラッと開けた。



「うわぁっ!!」



中林はそのままポイッと雨の中にほおりだされる



「つめてぇ!なにすんだよっ」

「頭を冷やせ」



叫ぶ中林に相馬先輩は冷たく言った。



「ふざけんなっ!いくら寮長だからって!親父に言い付けるぞっ!」

「やれば?」



中林はキッと睨みつけたまま携帯を取り出してどこかに電話を始めた。

きっと中林パパのとこだろう。


相馬先輩は冷たく中林を見ている。


あんなに冷たい目をするなんて…。

ちょっと心がざわついた



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