王子様は寮長様
この人は、SOOMAが嫌なのだろうか。
自分のバックにSOOMAを見られ、媚びられるのを嫌っているようだ。
それは仕方ないとわかっていても…。
名家には名家の悩みがあるのだろうな。
私は相馬先輩の頭を肩から起こし、覗き込んでニッコリ笑った。
「相馬先輩は、寮長として対応をしただけです」
先輩はじっと私を見返す
私は言葉を続けた。
「寮長として、中林の親に対応したんです。」
ね?と言う。
先輩のそのモヤモヤした気持ちが少しでも晴れれば良いと、そう思った。
先輩は軽く微笑み…
「ありがとう。九条」
とつぶやいた。