王子様は寮長様


終業式も無事に終わり、教室に戻ろうとしたときだった。


莉子と楽しく話をしているとドンッと人とぶつかってしまった。



「あ、すみません。」



急いで謝るとそこには…

げっ!!



「ちょっと!どこ見てるの!痛いじゃない!」



うそでしょう~。
相馬先輩の取り巻きのお姉様方ではありませんか

とりあえず、もう一回謝ってさっさと離れよう。



「すみませんでした。以後気をつけますので…」

「待ちなさいよ。」



帰してくださいよ~…。

三人のお姉様方は腕組みをしている。

ケバいからか、迫力ありまくりだよ。



「何か?」



私は莉子だけでも先に帰ってもらおうと、莉子を押すが、動く気はなさそうだ。


莉子、キレないでね…?


「あなた、皐月寮の副寮長でしょう?」

「ええ、まぁ。」

「蒼斗くんもなんでこんな鈍臭そうな子を選んだのかしら!」



鈍臭そうなって…。

そして、否定しきれない自分が悲しい…。



「あなたさぁ、蒼斗くんにベタベタしすぎなのよね。」

「そうそう。つつしみがないわっ!はしたない」



はしたないって、久々に聞いたセリフだな。



「聞いてんの!?」



何も言わずにいると、イライラしたように睨まれた。


すると……




< 59 / 217 >

この作品をシェア

pagetop