王子様は寮長様
終業式も無事に終わり、教室に戻ろうとしたときだった。
莉子と楽しく話をしているとドンッと人とぶつかってしまった。
「あ、すみません。」
急いで謝るとそこには…
げっ!!
「ちょっと!どこ見てるの!痛いじゃない!」
うそでしょう~。
相馬先輩の取り巻きのお姉様方ではありませんか
とりあえず、もう一回謝ってさっさと離れよう。
「すみませんでした。以後気をつけますので…」
「待ちなさいよ。」
帰してくださいよ~…。
三人のお姉様方は腕組みをしている。
ケバいからか、迫力ありまくりだよ。
「何か?」
私は莉子だけでも先に帰ってもらおうと、莉子を押すが、動く気はなさそうだ。
莉子、キレないでね…?
「あなた、皐月寮の副寮長でしょう?」
「ええ、まぁ。」
「蒼斗くんもなんでこんな鈍臭そうな子を選んだのかしら!」
鈍臭そうなって…。
そして、否定しきれない自分が悲しい…。
「あなたさぁ、蒼斗くんにベタベタしすぎなのよね。」
「そうそう。つつしみがないわっ!はしたない」
はしたないって、久々に聞いたセリフだな。
「聞いてんの!?」
何も言わずにいると、イライラしたように睨まれた。
すると……