王子様は寮長様


「水着可愛いよ。」



相馬先輩は私の前に立って、褒めてくれた。


うひゃぁ!ますます照れますからっ!



「み、見ないで下さい」

「どうして?」

「恥ずかしい…です」



小さな声でそう言うと、相馬先輩はニヤッと笑った。



「そう言われると、よけいに見ちゃうよ。」

「えっ!?」



だって…と先輩は、屈んで私の耳元に顔を寄せた
うひゃぁ!相馬先輩のキレイな顔が近くにっ!

私のドキドキや焦りを知ってか知らずか、先輩はゆっくり言った。



「俺も健全なる男だもん」

「っ!!!!」



だもんって可愛く言ってるけど!?

今すごいこと言ったからっ!



「おいこら、そこのエロ寮長。狼になってるぞ」



奈緒先輩が腰に手を当て呆れたように見ている。


そしてエロ寮長呼ばわりされた相馬先輩は声を出して笑う。



「まだ明るいから狼にはなりきれないな。」



っておい!エロ寮長!

満面の笑顔で何を言ってるんだか。



はぁ~、学院の王子様の 新たな一面をまた見てしまった感じ。



まぁ、王子様っていっても普通の高校生だもんね

でも、狼にはならないで欲しい…………。



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