王子様は寮長様



ひとしきり海で遊び、夕飯は奈緒先輩ん家のコックさんが美味しいご飯を作ってくれた。

やっぱり大勢で食べるご飯は一段と美味しい。


部屋に戻り、ベランダでのんびり星を眺めていると、携帯が鳴った。


表示を見ると“父親”の秘書からだ。



「もしもし?」

『こんにちは、秘書の片山です。』



“父親”の秘書、片山はこうして数ヶ月に何回か様子確認の電話をしてくる。



『そうですか。寮生活は楽しそうで良かったです。副寮長は椎菜さんに適任かと思いますよ。』

「そうでしょうか」



私は苦笑する。

適任って言っても、掲示板に貼るお知らせを作る程度の仕事しかしてない


あと、揉め事の処理とか

でも大体は寮長がやるから私は実際はやることはほとんどないけどね。



『…皐月寮の寮長は何と言うお名前でしたっけ』

「相馬さんです。」

『相馬…。蒼斗さんですか?』

「ご存知ですか?」



やはりみんな相馬先輩の名前は知ってるものなのだろうか。


凄いな。世界のSOOMAは。


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