王子様は寮長様


振り返るとそこには……



「超びっくり。副寮長の九条さんじゃない。」

「何してるの~ここで」



そこには水着姿の相馬先輩の取り巻きであるお姉様方がいた。


そう。終業式にいちゃもん付けてきたあのお姉様方。


今日は二人なんですね。


てか、なんでここに!?

まさか追いかけて!?



「うちのパパのホテルが近くなのよ。」

「あ、そうですか。では失礼します。」



さっさと逃げようとしたとき、待ってよ、と声をかけられた。



「逃げなくてもいいじゃない。」

「私達、この間のこと反省してるのよ?」

「えっ?」



二人のお姉様方はニッコリ微笑んだ。



「言い過ぎたなって思ってたの。」

「悪かったわね。」



口々に謝られ、面食らってしまう。


素直に謝ってくるなんて

私は驚きを隠せないでいた。



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