王子様は寮長様
「…外までは結構距離があったと思うけど………足を引きずってでも行くしかないかなぁ。」
ため息が出てくる。
フッと相馬先輩の顔がよぎる。
…相馬先輩。
私が居ないことに気がついてくれてるかな。
きっと私の帰りが遅ければ、気にしてくれるはず。
でも、こんなとこに居るとは思わないよね…。
やっぱり、這ってでも行くしかないか。
腫れてきた足をさすり、意を決して立ち上がろうとした。
その時、微かに音が聞こえた。
「えっ?」
石が転がる音……?
カツン…。
あ、また…だ。
…やだっ、何?
虫?コウモリ?
まさか…
「ゆ、幽霊…!?」
私はその場で身を縮める
嘘でしょう!?怖いからやめてよ~!
音はどんどん大きくなってきた。
そして………
カツーン。
「きゃぁぁ!?」