王子様は寮長様
「さてと、もう少し眠っていたほうがいい。」
相馬先輩はベッドに横になるように促す。
お風呂に入ってスッキリしたものの、まだ足の痛みとだるさはある。
私は素直に横になった。
「椎菜ちゃんには私が付いてるから男二人は出てていいわ。」
「俺も椎菜ちゃんに付き添いたい~」
「乙女の寝室よ!猛」
猛先輩はぶつぶつ文句を言って膨れている。
「ゆっくり休めよ。」
相馬先輩は優しく微笑み私を撫でた。
胸がキュゥっとなる。
先輩の温かさが心を満たす。
「相馬先輩ありがとう」
先輩はニコッと笑顔を返して部屋を出ていった。
「何か欲しいものはない?」
「はい。奈緒先輩、ありがとうございます。」
「ううん。あなたが帰ってこないって聞いた時の蒼斗、見せたかったわ。飛び出すように捜しに行ったんだから。」
「そうだったんですね」