王子様は寮長様


「あ、あの!相馬先輩」

「うん?」

「一人で歩けますから」



気が付くと先輩と手を繋ぐように引っ張られていた。



「あぁ。ごめん。痛かった?」

「あ、いえ…。」

「じゃぁ、とりあえず、部屋に案内するから。こっち。」



寮の中は広々としていて、小さなお城のようだった。


私は部屋へ案内された。


鍵を渡される。



「うわぁ、広い!キレイ!凄い!」



中は一人部屋とは思えないくらい広かった。



「気に入った?」

「ハイ!」



満面の笑顔で振り返ると相馬先輩にプッと笑われた。


うわ!笑われた!
イケメンに笑われた。
顔が赤くなる。恥ずかしくて俯いた。



「ごめんごめん。だってあまりにも嬉しそうだから。」



いいですけどね。


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