―優しい手―
―モノ―
“ねぇねぇオネーサン。ヒマしてるんだったら 俺達と、どこかイイトコ行こ―よ。”
真冬のツンと張り詰めた夜の公園には お世辞にも相応しいとは言えない、甘ったるくてけだるい幾人かの声が私を囲む
“ねぇオネーサンってば。無視しないでさぁ”
“ちょっとだけでイイから顔上げてよ”
…なんで、アンタ達の為に私が顔を上げないとイケないの?…
そう、心の中で呟きながらも私は 膝を抱いてうずくまり、その場から逃げられずにいた
“ほらほら、俺達さっ。M男くんだから、冷たくされると 興奮しちゃうんだよねぇ”
そう言いながら男達は、私の腕を引っ張り 顎を掴んだ
…その瞬間から記憶がない…
我に返った時には 私を取り囲んでいたとおもわれる男達が 皆ぶざまに転がっていた
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