―優しい手―
机に置かれたケーキには手もつけず 隣に置かれた白い封筒を取り、外へと出る
グシャッと封筒を握りしめ、溜め息を漏らす
一息ついて 握り潰した封筒をゆっくりと開き たった一枚の紙切れを取り出し 見つめる
《19:30 ○△ホテルの506号室 対象物:○△ХХ》
今日の『仕事』も 政治家の愛人役
アパートの近くのコインロッカーから いつものようにピアス型の盗聴器を取り出し耳につけ、○△ホテルへと向かった
そして私は モノになる