―優しい手―
部屋に戻ると、すぐにシュウは帰る様子をみせた
どうしようもなく、いたたまれなくなって
玄関に向かうシュウの腕を引っ張り 胸を突き倒す
横になったシュウの上に馬乗りになる
シュウも抵抗し、馬乗りになった私を突き放す
突き放された私は 机で背中を強打するけど、痛みなんか感じない
起き上がり歩き出すシュウの足にまとわり付く
乱闘のように二人絡み合う
外からのわずかな光が差し込む 真っ暗な部屋の中は ただ二人の荒い息遣いだけが聞こえる
疲れきった私の髪を掴み上げ 唇に触れる
もう 目さえ開けられないぐらい疲れきって 口で荒く息をする私の唇に シュウは舌で撫でる
その行為で より一層私の息も荒くなる
シュウの手は掴んでいた髪を解き 私の頬を優しく包む
もう息をする事さえ しんどい
頬を包むシュウの手は 私の首筋を通り抜け 背中へと訪れる
シュウの長い腕に抱きしめられる
“夢心地”とはきっと、この事なのかもしれない
ずっとこのまま 永遠に続けば良いのに…
急に襲いかかってきた睡魔のせいで 私はシュウの腕の中で眠りについた