―優しい手―
朝 目が覚めるとシュウはいなかった
敷いたはずのない布団の中で 私は天井を見上げていた
ふと、机に目を向けると 昨夜のケーキの箱が目に入った
シュウのくれたケーキ
真っ白なクリームの上に、赤い苺がのっていて ローソクが18本立てられていた
私は 手づかみでそのケーキを食べた
シュウがくれたケーキ
シュウがくれたケーキ
シュウ
シュウ
シュウ
ケーキを口いっぱいに食べながら テレビを点けると、テレビの端に出ている時計は9時を示していた
いつもなら やって来てもおかしくない時間
どうして来ないんだろ