―優しい手―
壁に当たって砕けた椅子や スタンド式のランプな花を生けていた花瓶を 一つずつ片付ける
指からは赤い血が 出ていた
…私。生きてるんだ。……フウ。もう、終わりにしょう…
割れた花瓶の破片を拾い 首筋に当てる
ゆっくりと力強く、押し当てる
心臓がバクバクと音を立てる
―怖い?―
―怖いの?―
―怖くないよ―
一瞬、躊躇したけど。
花瓶の当たった首筋からは ドクドク、と生暖かい私の血液が垂れている
これで ラクになれるな
後は このまま………