―優しい手―
ぺち
ぺち
ぺち
…ちょ、ちょっとイタい…
頬っぺたを叩かれ 目が覚める
目を開くと 桜木ハヤトの部屋で、ヤツがいた
“おはよう”
“……………”
“やっぱり僕は嫌われてるのかな…”
“…………………”
“君が僕を嫌いでも、君の身体の中には僕の血液が流れてるんだ”
シュウがいない
身体を起こすと 首に激痛がはしる
私は生きてる
桜木ハヤトは 私の前髪を優しくかきあげて
“やっぱり君はシュウによく似ているね。似た者同士の君達は、互いに惹かれあってる”
“ば、ばかじゃねぇの!”
“僕が馬鹿か…。そうでもないと思うけど。まぁ、なんにしても シュウは君の事をひどく心配していたよ。もう、これ以上死ぬなんて考えない方が良い………組織が動き出した。君が死のうとしなくても、奴らが君達を抹消しに来るさ…”
“君達って、シュウもか?”
“ああ。…言ったハズだ、この世界じゃ『親』て『子』の『恋愛』は禁止だと”
“なぁ。教えてくれよ組織の事…”
“君は何も知らされていないんだね。では、教えてあげよう”