―優しい手―
ハァハァハァ…
“ここまで来れば、大丈夫だろぅ”
ようやく人気の多い雑踏までやって来れた
“もぅこれで大丈夫だな”
そう安心した途端 私もシュウも身体の傷口が痛み出して その場に転げた
“お前、大丈夫か?”
“ああ。シュウこそ 大丈夫なのか?”
“ちょっと…な。でも、このまま此処に転がってるワケにもいかねぇだろぅ。歩けるか?”
そう言ってシュウは 傷まみれの手を差し出した
私は何度 この手に救われたんだろう
嬉しさと恥ずかしさが入り混じる気持ちの中 ギュッと手を繋ぎ、起き上がった
“もう少し歩けばホテルがある。そこまで、歩くぞ”
二人はまた、歩いた