―優しい手―




“なぁ…シュウ?”



“ん?”



“これから私達どうなるんだろうな?”



“そうだな…。外国にでも飛んじまうか?”



“でも、ほら…パスポートがないしな…”



“んなモノ、どうにでもなるさ”



まるで 子供が悪い事を思い付いたように笑うシュウ



“だけど、外国なんて行った事ないし…”



“俺は、お前がそばに居れば それだけで充分だ”


“それは、私だって同じだよ”



“なら、大丈夫だ。ふたり一緒なら…”



ベッドの上で 仰向けで横になったまま手を繋ぎ その手を上げる



繋がったままの手



もう、この手を一生離さない



“俺、お前を一生離さないからな”



まるで 心が通じ合ってるみたいに シュウが同じ事を言う



…愛してる…



…愛されてる…




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