―優しい手―



僕達の父は どうしようもないぐらい貪欲で、自分の欲の為なら、人ひとりぐらい生きようが死のうが構わない人間だった



そんな父に僕達…いや。シュウ、君は残酷にも人生を狂わされてしまったんだ。 だけど、その責任は僕にあったんだ。



大手企業の社長令嬢の母との間に出来てしまった僕が跡を継ぐ事になってしまう事になったからね… 僕が女なら、きっとこんな事にはなってなかっただろう



母の父―御祖父様は 家庭持ちの父を良くは思っていなかったから 男に生まれ僕が良い口実だったんだ …僕を跡取りにすれば、父は必要なかったんだ



だけど、父にはそれが許せなかった…金に見せられた父は シュウ、君と君の母を捨てたんだ。



そして、父に捨てられた君の母は 今度は君を捨てたんだ



そんな父の横暴を知ったのは 思春期真っ盛りの頃だった






僕は 施設で育つ君に会いに行ったよ



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