―優しい手―














トン




うなだれる僕の背中に 強くて優しい重みがかかった



その重みが絢…君のものだと、すぐに感じたよ



振り返ると 僕の背中に子供のようにしがみつく君の姿が見えた



僕は 抱きしめずにはいられなかった



君をギュッと抱きしめ“君を愛してる”って言葉が僕の口から自然に出ていた



そして Kissをしたんだ


柔らかくて甘い君の唇に どうしようもないぐらいに君への愛を押し付けたかった



僕達ふたりだけが まるで春の陽気に包まれたみたいにポカポカと身体の芯まで温かくなって ずっとずっとこのままひとつでいたかった



きっと…これが“愛する”事なんだね



シュウ



君のおかげで 僕はようやく、まともな人間になれたようだよ









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