心から好きと言って【完】



それで満たされる。



私には・・・・康太しかいない・・・。



「じゃ、留果?行ってくるね?」



「うん。待ってる。」



康太はバイトに行きはじめた。



私が逃げないとどこかで思ったから。



ひとりになっても私の狂いは治らない。



それくらいに自分を追い詰めて、逃げたんだ。



不思議とひとりでも笑える。



何も面白くないのに。



その日の夕方。



玄関の扉を叩く音が聞こえた。



居留守を使ってもいっこうに止めない。



1時間近く叩かれて、さすがの私も痺れがきれて玄関を開けた。



そこには、高校の先生。



閉めなきゃ。



そう思っても遅くて、先生は玄関に入り込む。



「無断欠席が何ヶ月も続いている。このままだと退学だぞ」


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