逃亡者

無力な抵抗

「ピンポ〜ンピンポ〜ン」

「やば」
俺は小声で言った。

「すいませーん千葉県警ですけど、どなたかいらっしゃいませんでしょうか?。」

どうしよう?
脳みそをフルに使って考えた。

1 逃げる。
2 素直に捕まる。
3 立て篭もる。
・・・駄目だ現実性がない選択肢ばっかりだ。

と思うと俺の足は何故か動いていた。

「俺は殺してないんだよこんな事で捕まってたまるか。」

と思うと俺は家のありったけの金と通帳、車の鍵、家の鍵、食料など必要なものを全てバックに詰め込んだ。

そしてベランダに出る。
確かここには一階に降りる非常はしごがあったはず。

その時、家の中からの反応がないことがわかった警察はどうやら強行突入に踏み込んだようだ。

「たのむ、速く速く開いてくれ!。」

非常はしごを見つけたのはいいがなかなか蓋が開かない。

「くそっ!。」
俺は悪態をつくと、ありったけの力をこめて蓋を引っ張った。

かろうじて開いた蓋はちょうど人一人が入るような大きさだ。

俺はそこに飛び込み一気に下に降りた。
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