逃亡者
逃亡
その日の14時、俺は山の中腹付近に身を潜めていた。

案の定でその時間には何台ものパトカーが列を連ねてやってきた。

だが警察は俺が死んだと思ったのかパトライトを付ける事もなく、サイレンもならさず帰っていった。


俺にしては好都合だ。

そして携帯のラジオを聞く。

聞いているとニュース速報が始まった。

「ニュース速報をお伝えします。昨日、習志野市で起きた一家三人とその友人一人が殺害された事件で逮捕された、大崎 圭輔容疑者を乗せた護送パトカーが山中の少年院と繋がる山道を走行中に前方から来たミキサー車と衝突、炎上、爆発し、大崎容疑者と警察官、ミキサー車を運転していた運転手三人が死亡しました。
現在千葉県警は・・・。」


おおっ!これはより好都合じゃないか!

なにしろ俺は死んだことになってんだから。


「さて、これで少しは安全だし寝るか。」



この時俺はこの先起こる恐怖を想像する事は出来なかった。
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