逃亡者
「言いたくないことだが、宮瀬は今日の朝、家を出たきり連絡が取れなくなっている・・・。」

クラスに一瞬のざわめきと沈黙が訪れた。

そして学活が終わった。
クラスメイトの男子は互いに顔を見合わせて、俺の場所に集まってきた、
恒例の緊急会議の始まりだ。

「え〜と俺が司会を勤めていいのかな？」
そう俺は言った。

すると、皆頷く。
俺は会議を続ける。

「え〜では今回の件について何か意見のあるものは挙手を。」

すると耕太が手を上げた。
そしたらこの野郎、
「自殺したんじゃね？。」

とか言いやがった。

みんな「まさかぁ〜。」
という顔で耕太を見る。

次に手を挙げたのは中央委員の藤井だった。

「あいつの事だしまたゲーセンでガンゲーやってるだけじゃないのかな？。」

う〜むさすが中央委員だ。頭が切れるなあ。

「よ〜しじゃあ藤井の意見でみんな納得だな。」

みんな納得する。耕太を除いてはだが。

「よ〜しじゃあこれにて緊急会議終わり。」

ちょうど先生が来て、皆席に戻って行った。

耕太は納得行かないような顔をしていたが、納得したのか普通に席に戻って言った。

この時藤井が言ったことが皆正解だと思っていた。
まさかこれ以外の展開が起こるなんて思った奴はいなかった・・・。
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表紙・目次

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