この胸に。(編集中)


「…………」

「香織?具合悪りぃの?」

「別に?」

「そう?何か軽く顔色悪いよ」

「…気のせいでしょ。てか,哲弥がA公園に来いって。なんかかなり焦ってたよ」

「A公園?はぁ?!あいつ馬鹿じゃねぇの?今うちらセブンだよ?今から原チャリで…って,え?!」



あたしは原チャリのエンジンをはさみや針金でかけた。

勢いよくブルン…と大きなエンジンの音がたった。



「よくわかんないけど…行こう」

「メットは?」

「ここにあるよ」



あたしは椅子の中からヘルメットを2つ取り出した。


そして,誰かの原チャリをそのまま盗み,A公園へ向かった。



しばらくすると,また携帯は鳴った。



「あ――,もう!何だよ糞野朗。菜子,出てくれる?」

「はいはーい。………もしもし?哲弥??」



しばらく菜子の話を聞いていた。



「…え,マジで?うん…うん,わかった」



菜子の声のトーンが変わった。

…え,何?


何が起こったの?



「菜子,哲弥なんだって??」

「…祐,事故に遭ったらしい」



思わず急ブレーキをかけた。

後ろの車に思いっきりクラクションを鳴らされたが,そんなもの耳に入らなかった。



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