永遠
溜息をつき、浜辺の方まで行った。
途中、砂で足が埋もれ、素足になった。






「はあーっ」




そのまま座り、地面に手をつき空を見た。




近くにあった、木の棒で文字を書いた。




『永遠』




この言葉、昔から好きだった。
好きというより憧れていた。


何でも永遠だったら良いな。って思う。

生きてる時間も、楽しい時間も、幸せな時間も、笑ってる時間も。
どんどん、大人になっていく自分が嫌だった。

ずっとこのままで居たい。
大人になったらできない事が沢山出てくる。




つまらない大人にはなりたくない。
あたしはそう思ってる。でも、大人になったらどうしても
つまらない大人になってしまう。


大人は皆、つまらない。




「ドサッ」




驚いて横を見ると亮が苦しそうに息を吐いていた。





「亮、大丈夫?」





「はあはあ・・・飛ばしてきた!」




「お疲れ!」


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