永遠
「ちょっと、香織リスカしての?」




姉は近くにあったタオルを持ってきて傷口にあてた。




――――


「馬鹿じゃないの?こんな事して・・・。痛いだけだよ?」




「怒らないの?」




「何だかんだ言ってあたしも何回もしてるからね。」





「ほら、できた!」





丁寧に手当てしてくれた。
多分、お母さんに見つかってたら大騒ぎになってただろうな。





「本当、こんな事しても誰も変わってくれないしさ、結局。


自分が傷つくだけなんだって。結局はまた自分を追い込んで、


だんだん止められなくなって・・・。死ぬのも時間の問題なんだよ?」




「これを見たら・・・お母さん、分かってくれると思ったから。」





「進路の事?駄目だよ。全然、分かってくれないよ?頑固だからね。


下手すれば家庭教師呼ばれるよ?」




「・・・・・」




初めてのリストカットは散々だった。
気持ち良いのかと思ったら全然そんな事なかった。



< 17 / 35 >

この作品をシェア

pagetop