サンプル彼女 (モテ小悪魔の策略?)

ぽろぽろと涙を流す京子の隣に移り、香織は彼女の背を叩いた。

講義が終わり、徐々に人が集まり出す。
同性として化粧をしているので涙はよくないだろうと、涙を止めるよう香織は優しく背を叩いた。



「どうしたの?」「大丈夫?」「なになにー泣いてる?」

やじ馬が集まってきた。

京子はあつくなった目頭を抑え、香織を見つめた。

人前で泣くのは卑怯だと思っていた気持ちを思い出す。






「ひどい……よ、っかおりっ、私のこっ、事、…が嫌いだったの?」






京子は嗚咽混じりに言った。



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