サンプル彼女 (モテ小悪魔の策略?)
「京…子」
「かおり…っ、私気にしてないよ。気をつけるね?ごめんね、怒らせたりなんかして…」
うるうるとした目で香織を見る女。
それが京子。
―――香織という人は馬鹿だと思った。
自分の裏に気付ける程、客観的な目を持っている香織ならば、
分かっていただろうに。
京子が、自分がいかに、したたかな女ということくらい。
「ごめ、…ありがとう」
気付いたら思ってもいないことを香織は口にしていた。
完璧で隙のない女に盾突くなんて無意味なことをした自分は―――