星より高く飛ぶ竜
それから、僕たちは一週間くらい船旅を続けていた。海は穏やかで航海は快適だった。あと4日くらいで次の港町に着くらしい。それまで僕は甲板の掃除を任されることになった。マキは厨房で料理を手伝っていた。


「おーい新人。そろそろ飯だからあがっていいぞ」

「はーい。ありがとうございます」

この戦艦に乗っている人たちは、人使いが荒いけど悪い人たちじゃない。

甲板から降りようとしたそのときだった。一本の手が、甲板の端に見えた。男の手だった。その手は、甲板の杭をしっかりとつかんでいた。

僕が不思議に思って、甲板の端まで行くと、一人の男が見えた。その男はぼろぼろの服に、大きな曲刀を肩に背負っていた。

一見して、海賊だとわかった。

男はどうやらこの船に乗るために、甲板に這い上がろうとしていたようだった。

「おい、小僧。もし声を出したら、オレはここで死ぬ。どうだい、交渉しないか?」



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