星より高く飛ぶ竜
春の風が吹いていた。僕はすべる甲板の板にてこずりながら、モップで板を磨く。波は穏やかで、カモメが飛んでいる。

「おーい、新人、こっちも掃除しろ」

「はーい」

まったく人使いが荒いんだから。これだから船乗りは。でも、よく考えてみると、戦艦に乗っている人って軍人?だよね。どこの軍隊だろう。このあたりに海軍ってないきがするし。

「新人、ぼさっとしてるな」

怒られちゃった。まあ、このまま海に放り出されないように仕事しなきゃ。掃除も意外と汗をかく。

掃除をしていると、さっきの大男がやってきた。

「おい、アレク」

あれ?なんで僕の名前を知っているんだろう。

「はい、なんでしょうか」

「そろそろ飯だから、こっちに来い」

< 8 / 12 >

この作品をシェア

pagetop