*扉*

  2年前の僕…


「お父さん、お母さん、今日も帰って来ないのかなぁ…」

当時の僕は、12歳。

その頃の僕は、父母に捨てられたなんて考えもつかなかった。

「今日は一段と寒いや。早く寝ようっと」

そうして、小さな僕は睡魔に襲われ、深い眠りについた。




 「キミの扉の鍵は、目の前にある…」


静かな、綺麗な夢だった…。

綺麗な、長い髪の女の子が、僕を抱きしめた。

 「旅に出なさい…」




そこで、夢が終わった。


不思議な夢だった。





僕は2年前の不思議な夢を思い出した。

夢を信じる…

子供じみてる…

そんな事はとっくにわかってるんだよ。

けど、

信じなきゃ…

僕自身が壊れちゃいそうで…っ

僕でいられなくなる…。


旅をしていたら、何か分かる気がする…




僕の答えが、分かる気がする。




僕を、変えられるかもしれないんだ!

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