夜が明ける前に
ああ、そうか。
嬉しかったんだ。
髪に触れる優しさや
手の届く銀色や
緋色の愛しさが…………
「……ギンジ。」
「なんだ?」
「……寂しかった。ずっと考えてたんだよ、ギンジのこと。」
「ああ。知っている。」
「……なんで?」
「そうなればいいと、願ったから。」
「ふふっ…なにそれ。」
…ああ、もうダメだ。
嬉しさと愛しさが溢れだす。
頭がふわふわして
胸が熱くて
顔は緩みっぱなし。
最初で最後の恋が、死神相手だなんて。
……いや、関係ないか。
ギンジだから
このヒトだから、恋をしたんだ。