夜が明ける前に
「なー。腹減った。」
「…同意。先食べてようか。」
ぎゃあぎゃあと騒いでいる三人を横目に、私と藤元はお弁当を食べることにした。
今日のお弁当はいつもより豪華だ。
鶏の唐揚げに、卵焼き。
アスパラのベーコン巻きに、コロッケ。
大好物ばっかりだー。と感動しながらおにぎりにかぶり付く。
「「うっまぁ〜……」」
お?と横に目をやると、藤元も私と同じく破顔させていた。
紙皿にあるかじりさしの唐揚げを見て、ふふっと笑う。
「美味いっしょ。兄ちゃんの料理は最高だからねー。」
「自慢したくなんの解るわ。すんげぇ美味い!」
ひょいひょいとおかずを口に放り込む藤元を見て、嬉しくなる。
身内を誉められるとやっぱり嬉しいものだ。
にこにこしながらおにぎりを頬張っていると、京香さんが一足先に帰ってきた。
「大丈夫?あの二人。」
「うん。じゃれてるだけだから♪」
ふふっと笑う京香さんはやっぱり可愛くて。
兄が激怒するのもなんか解るなぁ、と感じる。
「京香さん可愛いから桜木兄は大変ですねぇ。」
そう言って口をモゴモゴさせながらうんうんと頷く藤元。
そんな彼を見て、私と京香さんは顔を見合わせて笑った。