夜が明ける前に



「…うん。私も。今日ちゃんと友達になれたって感じたんだ!」



鼻声になるのは致し方ない。
だってさ。嬉し泣きしちゃったんだから。


こんなことまでシンクロしちゃうなんて、どんだけ似た者同士なんだ。



「泣くなよー。俺が泣かしたみたいじゃん。」


「んじゃあんたも泣けばいーじゃん。」



笑いながら頭を撫でる藤元の手は優しくて、一層に泣きそうになる。





こんな優しい友達がいて、私は幸せ者だ。






心から、そう思った。























< 43 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop