夜が明ける前に
「…うん。私も。今日ちゃんと友達になれたって感じたんだ!」
鼻声になるのは致し方ない。
だってさ。嬉し泣きしちゃったんだから。
こんなことまでシンクロしちゃうなんて、どんだけ似た者同士なんだ。
「泣くなよー。俺が泣かしたみたいじゃん。」
「んじゃあんたも泣けばいーじゃん。」
笑いながら頭を撫でる藤元の手は優しくて、一層に泣きそうになる。
こんな優しい友達がいて、私は幸せ者だ。
心から、そう思った。