Garden
心臓
先に気づいたのは、心臓だった。
なんでかなぁ…
君を見てると、心臓が踊るんだ。
普通の会話が、楽しくて仕方ないんだ。
さよならの瞬間が、ちょっと疼くんだ。
風邪を引いたみたいに。
熱に浮かされるみたいに。
体が反応するんだ。
もっと。
もっとなんだろう…?
もっと俺を見て?
話を聞いて?
もっと俺の名前を呼んで?
言葉にすると、心臓はもっと踊る。
もっと笑って?
もっと俺に。
いろんな顔を見せて?
もっと。
一緒に…
あぁ。
どうしよう…
心臓が止まらない。
好きだ。
君が好きで…しょうがない。
どうしたら、こっちを向いてくれる?
君が笑うから、つい調子いいこと言っちゃうよ…
恥ずかしいくらい、舞い上がってるの分かるけど。
心臓が、言うこと聞かないんだ。
君が……
もっと君が。
考えるだけで、反応する。
この熱は、治まらない。
心より正直な、この体に触れて欲しい。
そしたら少しは伝わるのかな?
好きって言葉に。
こんなに鼓動が…
こんなに熱が…
あるなんて知らなかった。
君を……
思うだけではもういられないよ。
俺にはもう…
分かってるけど、二人のことは。
心臓が、勝手に期待してんだ。
俺を笑ってくれてもいいけど。
嘘つかないから、この心臓は。
信じてくれていいんだよ。
俺を動かすのは、勇気じゃないよ。
ただこの心臓が走る。
君のところへ。