【短】僕は妹に愛を誓う


『フッ…負けず嫌い』

「もう!うるさ…」

最後まで聞かず、ギュッと凛を抱き締める。

「なお…くん…?」

驚いたような凛の声が耳元で聞こえる…。

『本当…昔から負けず嫌いで、怖いのに…泣きたいのにいつも我慢してたよな…』

そう、あの最初の彼女に会ったときも、泣きそうなのを我慢してたよな…。

他にも、凛は泣きそうな顔をしながらも我慢してる事がよくあった…。

そのたびに、どうにもできない自分。

兄妹になった日に守らないと…

そう思ったのに…。

もどかしい自分。


そんな僕に、暗闇に目が少し慣れてきたのか、凛が手を伸ばして来るのが分かった。



< 11 / 20 >

この作品をシェア

pagetop