【短】僕は妹に愛を誓う
父親が再婚したのは、僕が中学2年生の頃。
「宜しくね。凜ちゃん」
父親がまず、新しい母親の後ろに隠れる凛に声を掛けた。
「ほら、凜。お兄ちゃんの直人くんよ」
中々、前に出ようとしない凛を母親が急かす。
だけど凛は不安そうで、どうしたら良いのか分からないという感じだった。
だから…
「直人だよ。今日からよろしくな?凜ちゃん」
そう言って、ダメ元で手を差しだしてみた。
そしたら、恐る恐るではあったけど、手を握ってくれて、俺も優しく握り返したのを覚えてる。
その時は嬉しくて、この小さな手をした、まだ幼い妹を今日から守らなきゃいけないと、何故か思ったんだ…。