【短】僕は妹に愛を誓う
凛は最初こそ人見知りしてたけど、一緒に住むようになったらすぐに慣れたみたいだった。
父親の事もすぐに“お父さん”なんて呼ぶようになってて、初めて娘が出来て父親も嬉しそうだった。
俺も初めて兄妹が出来て嬉しかったし、しかも凛はかなりなつっこくて、いつも俺の後を付いて回って来た。
だけど、俺の事はお兄ちゃんて呼ぶ事は無くて、いつも“直くん”。
だけど母親は凛に
「凜、お兄ちゃんて呼びなさい?」
なんていつも言ってた。
でも俺は
「良いよ母さん。凜だって急にお兄ちゃんなんて呼びづらいもんな?」
って言った。
だってなんだか凛に“直くん”って呼ばれるのが心地良かったから…。
――思えばこの時から、凛を妹とは少し違う想いで見てたのかもしれない……。