りんごを剥く手
正確にはあなたは
いつも私のことを
心配してた。
何でか分からないけど、
あなたはいつも
私が寝ている時に
入ってきて、
一緒に寝ることを
日常化してたみたいだった。
だからいつも
私は無防備で、
涙が勝手に頬から
流れてることもあった。
そんな私の顔を見て
眉毛をハの字に、
口をきつめにむすぶ。
あなたお得意の
心配顔だ。
むかつくくらいに
胸を苦しめる。
そのあと無理に
笑おうとするのが
最強で、その姿を
私はみてられなくて
いつも顔を俯かせてた。
その間もきっと
私の行動が
自分の顔が原因だなんて
知らないあなたは
ずっと私に心配顔を
むけていたんでしょうね。
私はどんな
痛い治療よりも
あなたの心配顔が
苦手だった。
一秒だってさせたく
なかったんだから。