りんごを剥く手


私はまだ三つ残っている
りんごを一つ手にとって
無理なことを考えてしまう。


でもきっと、
ううん。
もう二度と来ない。
きっと来ても私はもう
来たかどうか
わからない。


だからせめて、
最期に見せた私の笑顔が
嘘だって
バレていませんように。
どうか。

そうねがって
手のなかにあるりんごに
キスをした。



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