りんごを剥く手


あなたとすごした
わずかな時間はとても
緩やかに流れていったから、
一秒一秒大事に出来た。


あなたは
いつもフラッと
私の元にやってきて、
私が眠るのを確認してから
サヨナラしたよね。


あなたがポンポン
前髪の上から撫でると
一回体がびくんとはねて、
あなたはクスッと笑う。
私はその仕草にいちいち
みとれてた。
その気持ちが
バレないように
キツく目を閉じれば
それきりだんだん
気持ちが落ち着いて
私は知らない間に
眠りに落ちてた。


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