りんごを剥く手


予想と
第一回目の印象通り、
優しい良いお姉さんだった。


「昨日はごめんね??」

申し訳なさそうな顔。
そしてそれさえ絵になる顔。


「こちらこそごめんなさい。
いきなり泣くなんて
失礼なことしました。」


「いや、ダーリンが悪いの。」

¨ダーリン¨


胸がドクンとなった。
あのワードは
残り少ない寿命を
更に少なくさせた気がする。


でもその時私は
寿命よりも興味が
勝ってしまった。


「あの...」


「なぁに??」


¨ん??¨

そう言わないことに
ホッとした私は馬鹿かな。


「ダーリンてことは、
彼女さん、ですか??」


心臓がドキドキ
ざわざわうるさかった。


「うん、今は。
半年後結婚するの。」


結、婚...??


結婚てなんだっけ。
一生一緒に
過ごすことだっけ。

予想外過ぎる言葉に
私は言葉を失った。
恋人なだけだと思ったのに、
もう婚約してるなんて。


婚約って
私まだ出来ないよ??
あと一年は必要だもの。
一年たったらもう二人は
結ばれてるし、
きっと私は.....


そこまで考えたところで
体を大きく揺さぶられた。


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