りんごを剥く手
机の上には
不格好に剥かれたりんご、
その横には
笑顔で寝ている少女。
桜が少女に積もっていた。
その様子を
じっと見つめる青年が一人。
りんごは変色しないよう
塩が振ってあるらしかった。
そのりんごを
手にとって口に入れた。
「しょっぱい...」
青年は寂しそうにつぶやいた。
「俺、幸せになるよ。」
そういうと少女についた
桜の花びらを一枚とって
少女の元を去った。
少女は一筋涙を流し、
桜の舞う中いつまでも
笑っていた。
end