武士道絵巻
日が沈み、あたりが真っ暗になったころ。
りくは城に向かっていた。
その時。
「!!だ、誰だ!」
何者かが前にたちふさがった。
「貴様は、葉陰一族のりくだな。」
「それならどうだというのだ!」
りくは敵とあうのは初めてだったので、びくびくしていた。
しかし、十分に剣の稽古はしてきた。
父上は、相手が三人以上の時は、逃げろと言った。
1人……
………2人
3人。
りくは、人数を確認して一目散に逃げた。
「ガキがにげるぞ!
追えー!」
敵はやはりおってくる。
りくは、足には自信があったが、町を知らないので、ひたすら走った。
ドン
「行き止まり!!」
走った先は、行き止まりだった。
敵はすぐそこにいる。
ここまで、一本道だから、隠れることなんて、できない。
「そこにいるのは、分かってんだぜ。
おとなしくでてこいよ。」
足音がどんどん近づいてくる。
「(もうだめだッッ)」
そう思った瞬間――